四川の調味料

豆板醤

四川料理の調味料として、豆板醤はあまりに有名です。今や日本でも手軽に入手できるようになりました。豆板醤は成都郊外の郫县(ピーシェン)産が有名です。通常の豆板醤より塩分が多く、油でいためた時の鮮やかな赤色、高い香りが特徴です。市場の写真や、豆板醤を発酵させている写真を見ているだけで、身体が熱くなってくるのは私だけでしょうか。

当店の豆板醤料理

井塩(せいえん)

中国の塩の1つに、四川省自貢市で採掘される「井塩」があります。読んで字のごとく、塩井(塩水の井戸のようなもの)からくみ上げた天然の鹹水を煮つめ結晶させたものです。くみ上げの様子を描いた「蜀」の時代の絵は、中国の切手にもなりました。この絵は、「自貢塩業歴史博物館」に展示されています。

残念ながら、「井塩」は輸入されておらず、日本で味わうことはできません。現地で味わった感想を述べると、とてもマイルドな味で甘みさえ感じるような塩でした。

自貢市伝統料理

牛肉の郫县(ピーシェン)豆板醤煮込み

当店自慢のメニュー

「牛肉の郫县豆板醤煮込み」

もはや牛肉の姿を探すのが難しいほどです。豆板醤の本場、郫县(ピーシェン)豆板醤の味を堪能してください。

 

伝統の中国料理で使用される食材は、主に豚肉、鶏肉、鴨肉が中心で牛肉はあまり使われていませんでした。しかし、四川省だけは例外で、牛肉を使用する料理が昔からたくさんありました。

それは、四川の自貢市が「井塩」の産地であったことが関係しています。塩水を汲むためにたくさんの牛を使用したのです。過酷な働きをさせていた牛は短命でした。その牛を何とか流用できないかということで食材として料理に使われるようになりました。自貢市から生まれたこの料理は、今では、四川を代表する料理となっています。

保寧醋(バオニンツー)

酸辣紛「さつま芋澱粉の山椒唐辛子煮込み」

四川のお酢「保寧醋(バオニンツー)」は黒酢です。四川料理はただ辛いだけではなく、複雑な辛味を感じさせる料理が多く、その秘密は、隠し味としても使われる「黒酢」です。当店の料理にもこの黒酢が生かされている料理がたくさんあります。メニューに宮保や魚香と書かれている料理名には黒酢を使用しておりますので、お好きな方はご注文下さい。

また、特に黒酢味が大好きな方には、写真の料理を紹介せて頂きます。

酸辣紛「さつま芋澱粉の山椒唐辛子煮込み」

さつまいもでんぷんでできた極太春雨で、酸っぱ辛く、ピリリと山椒が効いた四川料理を感じる代表的な小吃(一品料理)と思います。もちろん当店でも味わえますが、四川や重慶に行かれたら、現地の気候の中で、是非食べて見て下さい。きっと、忘れられない思い出になりますよ。

お新香

四川料理でお新香?と疑問に思われるかもしれません。でも、「搾菜(ザーサイ)」の名前を聞けば納得されることでしょう。日本ではお新香のようにそのまま頂くことが多い搾菜ですが、四川では細かく刻んで調味料として使います。また、四川では、搾菜よりむしろ「泡菜(バオツァイ)」「芽菜(ヤーツァイ)」の方が多用されます。

泡菜(バオツァイ)

烏賊の泡(ぱお)椒(じゃお)ソース煮込み(この料理は四川料理の文化その物です。)

当店では、自家製の泡菜を使っています。泡菜は、様々な野菜を塩と共に漬け込む「乳酸発酵漬け」です。特に泡菜では唐辛子や山椒を一緒に漬け込むところが、四川ならではの漬け方になるでしょう。当店では、調理に使うニンニク、ショウガなども漬けこみます。そのニンニク、ショウガを細かく刻んで、料理に加えることで複雑な旨味が生まれます。

 

当店でお出ししている「烏賊の泡椒(ぱおじゃお)ソース煮込み」は、四川料理の文化その物です。是非ご賞味ください。

芽菜(ヤーツァイ)・搾菜(ザーサイ)

当店メニューの「小海老のチリソース煮」は、本場四川省の芽菜を細かく刻んで、調味料として使用しています。ただ辛いだけでない奥行きのある辛さが自慢の一品です。

 

また、点心類の「四川芽菜入りミニ肉まん」「四川の伝統点心」も好評です。芽菜のコリコリした歯ざわりと共にお楽しみください。